私が在宅診療をするのは、長年外来に来られた方が看取りを希望されたとき、即座に「はい」と答えたいから。内科系の開業医の先生でしたら、どなたも同じ思いでしょう。それは、在宅診療を推進する国の政策誘導に乗るべき、という気持ちよりも強いものです。でも、在宅診療は一人の医師だけではできません。


■スサノオノミコトとの意外な関わり



無題
 
 私の二人の息子は、この春でそれぞれ中2と小3に進級します。
 この絵は次男が書いた「ヤマタノオロチを退治するスサノオノミコト」です。出雲地方、さすが神話の国。学校の図画で因幡の白兎かスサノオノミコトが絵の題材選ばれます。スサノオノミコトは出雲神話のヒーローとしてご存知だと思います。


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(須佐神社HPより)
 
 出雲市にスサノオノミコトを祭るパワースポットとして有名な須佐神社があります。神職であり医師の須佐先生は、24時間365日体制の在宅診療を進める仲間です。須佐先生のお許しを得て素戔嗚尊(すさのおのみこと)の「尊」の一字を頂戴して『チーム尊』として6カ所の診療所でチーム医療を行っています。チームポリシーは「いのち」「患者さん」「チーム医療の仲間」を尊ぶです。日中はそれぞれの診療所で対応し、夜間休日を『チーム尊』で機能強化型在宅療養支援診療所として、診療所医師で輪番体制をとることによって24時間365日在宅診療体制を整えています。


■医師から好評を得た「緊急電話コール代行受付システム」


 『チーム尊』では休日・夜間電話対応を看護師対応のコールセンターにお願いしています。導入理由は、6カ所の医療機関の受電をNTTの既存の「ボイスワープシステム」ではこなせなかったからです。
 緊急電話コール代行受付システムの共同利用を下図に示します。
 
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 (株)富士通エフサス社より資料提供
 
 6カ所の診療所を利用する、それぞれの患者さんからの時間外の電話は、コールセンター(同社はコンタクトセンターと表記)の看護師が受電します。また訪問看護師の電話も同様にセンターの看護師が受電します。患者さんのかけた電話は必ずつながり、医師に連絡がとれます。
 
 コールセンターの看護師は、相談内容をすべて聞き取り、一度電話を切り医療相談の場合はすぐ担当医に連絡します。不要な問い合わせは翌朝報告します。
 このサービスの費用は月々のコール数で変化しますが、月々のコール数が約30件の場合、一晩当たり3000円~4500円程度となります。

 この仕組みを1年間運用したところ、『チーム尊』の医師仲間から好評を得ましたので紹介します。
 
「コールセンターの看護師が集約した症状等の情報と、相互に公開している電子カルテの内容を見て、患者さんのことを理解してから電話対応ができる
「翌日の事務対応で可能なことは翌日報告される。緊急性がないことでは電話で呼び出されない
「コールセンターで必ず受電できるので着信漏れがない(今までは、安心して風呂にも入れない、運転もできない)」
「コールセンターの看護師に話を聞いてもらうことで、安心して医師に診察を求めない場合もある」
「看護師の休日、深夜の電話当番が不要になった」

 運用を一本化するために施設の看護師もコールセンターを利用していることに関しては、施設の看護師の中に、コールセンターを利用せず直接医師に電話したいという希望があります。
 
 コールセンターの看護師の対応はとても親切で、患者さん本人やご家族の評判が良いです。このため面識はないものの、『チーム尊』の大切なチーム仲間です。