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■母校で活躍する同級生

先週、母校・島根大学の脳神経外科教授、秋山恭彦先生(写真左)の講演会がありました。秋山先生は私の同級生です。講演後、卒後も地元の医療機関に勤める同級生たちでミニ同窓会を催しました。秋山先生は学生時代からコツコツと積み重ねて勉強される方で、今振り返っても学生時代から教授になられる素質のある方だったと思います。
羨ましいのはそのご容姿で、相変わらずイケメンです。私と写真を撮った後も、ツーショットをねだる方がいました。考えてみれば、私はツーショットを頼まれたことがありません。

秋山先生には母校を足掛かりに、大きくご活躍いただきたいと思います。



■島根の地域医療再生計画

東西約200kmに及ぶ島根県は7つの二次医療圏から成っています。病院を多く抱える松江圏や島根大学附属病院・島根県立中央病院がある出雲圏を除くと、県西部や離島・中山間地域で医師不足が深刻化しています。特に産科・外科・小児科などの特定の診療科において、医療提供体制の維持・存続が脅かされる状況になってきています。

皆さんの都道府県でも、国から交付される地域医療再生基金による「地域医療再生計画」が策定されつつあると思います。島根県は事業費87.5億円で整備されます。
その内訳は下記の5事業です。

1.医師をはじめとした医療従事者の確保や県内定着の促進
2.ドクターヘリの導入
3.ITを活用した医療機関連携
4.施設・設備整備による医療機関の医療機能の確保
5.がんの予防及び早期発見の推進を図るため、総合的ながん対策



■ドクターヘリで活躍する同級生に触発されて

島根県ではすでにドクターヘリは運用されており、私の診療所の近くにある島根県立中央病院の屋上に待機し、日に幾度も出動しています。私の同級生の救急医もドクターヘリで活躍しています。

同級生に触発され、私も島根県が抱える医師不足問題の解消に向けて積極的に役立ちたいと思い、県の地域医療支援会議の医療IT専門部会委員として、下記のITを活用した医療機関連携の仕事に参加させていただいています。



■地域医療再生基金によるITを活用した全県医療機関連携

この事業では、島根県が整備運営費を負担し、島根県内の全医療機関と調剤薬局がVPN・オンデマンドVPNを利用してネットワーク化されます(調剤薬局については予定)。そして、このネットワークと共通患者IDをNPO法人しまね医療情報ネットワーク協会(http://www.shimane-inet.jp/about/index.html)が自立的に運営管理します。


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写真の手のひらは、島根県の行政のイメージです。女性の手のように優しいサポートによって、NPO法人が全県の医療機関をVPNネットワークで結ぶイメージです。

実際の医療ウェブアプリケーションは、全県で利用するものはNPO法人が導入管理し、医療圏域ごとに必要な地域アプリケーションは地域ごとに策定します。

ITを活用した医療機関連携で現在計画中の取り組みは、以下の5つです。
1.全県下の医療機関相互による紹介状・予約・検査予約・地位医療連携パス
2.患者情報の共有
3.画像連携(読影依頼・レポート参照)
4.調剤薬局における医療情報閲覧(電子お薬手帳の薬局間での利用)
5.処方情報の電子化

紹介状については電子認証も想定しており、検査予約、診療予約システムも含めて診療所での事務負担の軽減を目的としています。

高額医療機器の共同利用を促進したり、その結果として画像連携をすることにより、医療機器のリソース不足を解消します。読影サービスは放射線診断医不足に対応するとともに、各地域の医療機関での画像診断の精度向上につながります。

医療機関同士の患者情報の共有化は、医療の質と安全性を高めます。そして、がん地域連携パス等の医療機関連携は専門医と診療所医師との間の有効な情報伝達手段となります。

医療機関から発行される処方箋内容の電子化と、調剤薬局のシステムとの連携も検討しています。これは調剤薬局での業務負担軽減を図ります。そして、調剤薬局同士で調剤情報を相互閲覧することにより、重複調剤や併用禁忌例を監視し、より効率的な処方監査に役立つと思われます。



■大都会の医療環境に近づきたい

今後は、上記の医療機関連携によるEHR(Electronic Health Record)的要素に加えて、各個人のPHR(Personal Health Record)要素である慢性疾患のデータ管理、保健指導への活用、さらに健診や学校検診で得られた子供の成長記録や、予防接種などの情報の共有についても検討していきます。

将来の抱負として、介護福祉分野との連携や、行政と連携して提出書類のペーパレス化を行うほか、究極的には1カルテを実現し、生涯の医療情報がすべて閲覧できるようになればと思っています。

東西に長く、過疎化・高齢化が医師不足に追い打ちをかける島根県の医療環境ですが、このネットワークによって情報伝達をスムーズにし、少ないリソースを有効活用することによって大都会の住民が現在享受している医療環境に近づきたいと思っています。