病院では看護師さんやスタッフが対応していた患者さんの食事やお風呂、排泄、車椅子での移動などを、自宅療養では家族が行うことになります。そのため、ケアマネさん、ヘルパーさん、看護師、医師が加わり、医療と療養の結びつけをしなければなりません。

 私たちのクリニックが在宅医療を行っている地域は、街中の民家のほか、日本海の漁村もあります(写真)。 当クリニックの在宅医療の訪問先は自宅と施設が半々ですが、外に働きに出ていない家族がいるなどの恵まれた家族構成でないと、なかなか本格的な自宅介護はできません
漁村


 国が進めている居宅系施設は、サービス付き高齢者住宅(サ高住)と介護付き有料老人ホームがあります。両者の違いは、サ高住には見守りまでのサービスの人しかおらず、あとは介護保険を利用して外部の看護師さんやヘルパーさんが対応します。一方、介護付き有料老人ホームは内部に看護師さんが配置されています。料金は若干老人ホームのほうが安いです。

 私たちが訪問しているサ高住は、写真のような内装です。部屋ごとにトイレが付いており、お風呂は共同で、車椅子の方用の大型の入浴機もあります。
サ高住


 入居者の方々が共に暮らすなかで、最初は孤立していても徐々に仲良くなっていくようです。しかし、元気に歩いている方は半分ほどで、ベッドで休んでいる方も多く、休んでいる方は中心静脈栄養や在宅酸素療法などの医療を受けています。

 理想的な在宅医療の場所、介護力を考えると、私は患者さんが住み慣れた自宅で家族と共に過ごすことが一番良いと思っています。しかし、そのためには介護力が必要ですので、次善策としては、サ高住に入居していただき、集約的に介護・看護・医療資源を投入するのがよいと思います。

 なお、前回ブログでお伝えした「自宅療養の一例」は、次回ご紹介いたします。