団塊世代が後期高齢者となる2025年に向けて、国は「地域包括ケア」の構築を進めています。団塊世代の方がだんだんと元気がなくなり、要介護状態になっていく。これに対して、今はバラバラに動いている医療、介護福祉、行政が効率的な共同体制を整え、資源を有効活用し、生き生きとした社会をつくる必要があります。これが「地域包括ケア」であると私は思っています。

 当院では2013年4月から在宅診療部を本格的に運用するようになりました。これまでの主な診療実績については前回までにご報告しましたが、今回からは、地域包括ケアにおける在宅医療という観点で、その実際についてご報告いたします。


■在宅医療は関係者の所属先が異なるのが難しさの1つ


 在宅医療の難しさの1つは、地域ごと、患者さんごとにケアマネジャーさん、訪問看護師さん、ヘルパーさん、薬剤師さん、そして医師もすべて所属先が異なることです。多職種の人たちが多施設でおのおのサービスをしているので、上手に調和を図る必要があります。これは難しさでもあり、皆で作り上げていく面白でもあると思います

 多職種の調和を図るために実践している取り組みをご紹介します。

 病院に入院していた方をお引き受けする際、それぞれの病院で行われる退院カンファレンスに多職種が参加するようにしています。在宅側は在宅医・訪問看護師・訪問介護士・訪問療法士・ケアマネジャー。病院側はソーシャルワーカー・主治医・病棟看護師・理学療法士・作業療法士・退院調整看護師にお越しいただいて、ご本人やご家族も参加の上、今後の方針をお話します。


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 この席で、病院の先生方から患者さんへ「これからは在宅で頑張り、もし調子が悪くなったら、また同じ病棟でお引き受けする」と一言いただけると、患者さんとご家族の肩の荷がずいぶん下りるのがよく分かります。この多職種カンファレンスによって病院から自宅での治療、ケアのスムーズな橋渡しがなされるのです

 次回は自宅療養の一例をご紹介します。