出雲の開業医「生活密着医療がモットーです」

  • ブログの紹介
     地域医療 = 生活密着医療と考え、「地域の方々の生活に貢献できる医療の進化を推進する」がモットーの開業医が、診療、研究、IT事業に奮闘する日々を出雲の地から綴ります。
  • 著者プロフィール
    杉浦弘明(すぎうら ひろあき) 1965年生まれ。1991年島根医大卒。島根県出雲市に「すぎうら医院」を設立して15年目の開業医。日常診療の傍ら、研究・IT事業など多方面で活躍中、後世に残る英語論文にも挑戦している。

2015年03月

日本医事新報3月特集号を監修しました

 昨年までは耳慣れなかった「地域包括ケアシステムも、今では医師同士で普通に会話に上るようになってきました。

 患者さんも「在宅中心、時々入院」へとパラダイムシフトが起こっていますが、医師自身にも、病院やクリニックの中で患者さんを待っていて、診察が終われば見送るだけのスタイルから、自宅での療養がスムーズにできるように「多職種との方々と協同するスタイル」へのパラダイムシフトが起こっています。

 従って、内科系のクリニックでは、専門分野に特化しない限りは、従来の外来機能を強化した上で、これまで以上に在宅診療や多職種との連携に目を向けなければならなくなりました。

 日本医事新報3月特集号(3月28日号)は、「クリニックで使える! 話題の医療機器2015」特集です。地域包括ケアを実践する診療所として必要な装備を念頭に、電子カルテ、医療連携システム、院内検査についてまとめています。私が監修をしていますので、是非御一読いただけたらと思います。

気管内挿管が容易になる“ビデオ喉頭鏡”は必携品

 プロダクトデサインの良いものを見ると脳がビビっときて活性化します。気管内挿管のためのビデオ喉頭鏡(コヴィディエン「McGRATH MAC」)(写真1)に触れた時に、まさにそう感じました。
写真1
(写真1)


 四半世紀前、私が研修医だった頃の喉頭鏡はずっしりと重く、視野は狭く、明るさも乏しいので、気管内挿管をできるかどうかがいつも研修医の話題でした。しかし、このビデオ喉頭鏡で、練習用の人形を用いた気管内挿管のトレーニングを麻酔科医師に受けたところ、これまで難しく感じていた気管内挿管が別次元のごとく容易になりました。液晶モニターに気管がきれいに見えます。今までは術者にしか見えなかったものが、他の医師や看護師にもモニターが見えるので、サポートがよりしやすくなります(写真2)。
写真2
(写真2)


 在宅診療や内科のクリニックになぜ気管内挿管が必要かと思われるかもしれません。悪性腫瘍の末期の方は、ご自宅で亡くなる決心をしておられますので、蘇生術をすることは通常ありません。しかし、長期の寝たきり状態であっても、最期をどのようにするのかをご家族と決めきれてないことがあります。また、急変されてもできうる限りの医療を希望されることもあります。このため、在宅診療でも救命できる準備はいつもしておかなければならないのです。

 この機械は、お餅などによる窒息状態でも威力を発揮しそうです。今後、普段の在宅診療で常用する携行品の1つになるでしょう。

(編集部より:日本医事新報3月28日号「3月特集 クリニックで使える!話題の医療機器2015」では、このビデオ喉頭鏡を含め、すぎうら医院で使用している医療機器を杉浦先生自ら公開、読者の皆さんに活用術を紹介する予定です。お楽しみに!)