4月10日に、私がスーパーバイザー役(コレスポンドオーサー)となる英語論文が出版されましたhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=24720339 
 この論文の主旨は以下の通りです。
 スギ花粉の飛散時期に住民の健康状態をインターネットで毎日モニターしました。それにより毎日の花粉症状発症率を計算し、この結果とその地域の空中に飛散している日々の花粉量とを比較検討しました。
 その結果、最初に沢山花粉が飛んだ日は多くの患者さんが同時に発症すること、そして一度発症すると少量の花粉量でも症状が続く様子 (プライミングエフェクト)を疫学的に明らかにしました。

 この5年間で私が海外の雑誌に発表した論文は、筆頭著者が4篇、コレスポンドオーサーは1篇です。私のような凡人は、1篇の論文を仕上げるのに1年弱の期間を必要とし、出版直前には、診療以外は他に何もできなくなるくらいの相当なエネルギーを要します。その源は、いつまでも尊敬してやまない、大阪医科大学の研修医時代の恩師、弘田雄三先生の「常に臨床に役立つ一篇の論文を書く」というお言葉です。
 そして、現在所属する奈良県立医科大学健康政策医学講座の今村知明教授、赤羽学准教授、並びに国立感染症研究所の大日康史先生、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦先生方の強力なご指導とご協力によるバックアップに支えられています。


■故意による不正があれば、文章はフィクションに


 昨今、日本の臨床及び基礎研究の信頼を揺るがすような事例が相次ぎました。私は、科学論文においては、一カ所でも故意による不正があれば、その文章はただのフィクションになってしまうと思います。そして、その影響は、その論文を引用した別の論文の価値も危うくするので、論文発表は非常に慎重にすべきものと思っています。
 
 出版直後はへとへとになるので、毎回、「これで論文に関わることはやめよう」と思うのですが、多くの方に支えられているので簡単にやめるわけにはいきません。
 今後は教室の主要テーマである「食品衛生」に関することと、私が島根県で行っている「ITを用いた地域医療連携によるコストベネフィット」について海外の医学雑誌で発表したいと思っています。