出雲の開業医「生活密着医療がモットーです」

  • ブログの紹介
     地域医療 = 生活密着医療と考え、「地域の方々の生活に貢献できる医療の進化を推進する」がモットーの開業医が、診療、研究、IT事業に奮闘する日々を出雲の地から綴ります。
  • 著者プロフィール
    杉浦弘明(すぎうら ひろあき) 1965年生まれ。1991年島根医大卒。島根県出雲市に「すぎうら医院」を設立して15年目の開業医。日常診療の傍ら、研究・IT事業など多方面で活躍中、後世に残る英語論文にも挑戦している。

2013年04月

患者情報を提供できるようになりました!

4月18日にとても嬉しいことがありました。
すぎうら医院も「まめネット」に患者さん情報を提供できるようになったのです。
「まめネット」は、本年1月からスタートした島根県全県下の医療ネットワークです。
(詳細は2月のブログ→http://jmedj2.com/archives/2013-02.html
県内の基幹病院は、年度内にほぼ網羅できる予定です。

この日から同意をいただいた患者さんについて、島根県内の他の医療機関で当院の治療内容と検査内容を見ていただくことが可能となりました。すでにデータ提供が行われている島根県立中央病院に次いで県内で2番目の医療機関となります。
 
肺がんの手術後で治療中の患者さんの場合、術後の検査は島根県立中央病院で受けておられますが、最近 感染性胃腸炎を罹患され当院で治療しました。 
この様子が、コンピューター画面内の同じカレンダー内に記されます(下図)。
クリックすることにより、それぞれの医療機関の治療内容や、検査内容を見ることができます。
電子カルテ
























画面を通して、一人の患者さんが複数の医療機関を使い分けている様子が手に取るようにわかります。
他院での検査歴が分かることは、当院の治療にもすぐに反映できます。
医療機関間の情報共有による患者さんのメリットはとても多いと感じました。

私は「まめネット」の開発に携わってきましたので、デモ画面はこれまでたくさん見てきましたが、
実際の患者さんで使ってみるとその良さがとてもよく分かりました。

開発や調整に携わられた皆さんに感謝しています。

4月から在宅診療部を開設しました

1

















4月1日に高校・大学の後輩である美川達郎先生(写真左)が当院に赴任してきました。
当院では4月から在宅診療部を開設しましたので、彼に在宅診療部長を任せ、その活躍を期待しています。

在学時期は異なるのですが、彼とは大学の同じオーケストラ部出身で、彼は木管のオーボエ、私も同じく木管楽器のファゴットを担当していました。一緒に演奏したことはありませんが、趣味が合うのはうれしいものです。
私の家内は同じオーケストラでフルートを吹いていましたので、三人で仕事の合間に木管楽器のアンサンブルが出来ればと思っています。今のところ超多忙でそれどころではありませんが。

当院に通院していた患者さんが通院困難となり、在宅医療を希望された場合の本格的な受け皿を自分の医院に用意することが長年の私の願いでした。美川先生の赴任によって、私と美川先生がそれぞれ2日に1回の割合で夜間、休日を待機することにより、患者さんの急変のために備えることが可能となりました。
 
入院は施設内に患者さんがいらっしゃいますし、外来は患者さんの方から出向いてこられますので効率的に診療ができます。しかし訪問診療では移動時間も含めると平均して1時間当たり1人しか診療できません。また1人の患者さんの病状毎に、ご本人とそのご家族、ケアマネージャー、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、薬剤師さん等、多くの方との調整が必要です。そのために多くの時間を要しますので、外来診療の合間に訪問診療を行うことは容易ではありません。でも美川先生にこれらの在宅診療業務を任せることによって可能となりました。

■在宅診療のためのツールあれこれ


 
在宅診療のツールを紹介します。2


















写真左から、ノートパソコンの電子カルテ(テクノプロジェクト社製)です。
携帯電話回線で院内の電子カルテとつながっています。患者さん宅で書いたカルテがリアルタイムで医院内でも見られます。足りない医薬品や材料を持って行くなどの応援部隊の派遣ができます。
電波が通じない地域ではメモリースティックを使用します。島根県では全県下で医療ネットワークを整備していますので、連携医療機関や訪問看護ステーションへも患者情報の提供が可能です。

左から2番目が携帯型超音波診断装置(GEヘルスケア社製)です。
片手に乗るサイズですが、カラー表示も可能で心臓、腹部とも診断可能です。15年前に日常で用いていた超音波装置と同程度のスペックです。

3番目が生化学迅速検査器(シスメックス社製)です。
往診先で迅速診断が可能になります。ワンステップでGOT 、GPT、クレアチニン、アミラーゼ、グルコース、アンモニア、CRPの7項目を7分で結果を出します。現場での抗生物質投与や重症度判定に役立ちます。

右端がiPad  miniです。
これで院内の電子カルテを参照できます。入力も可能ですが、キーボードとマウスがないのがやや難です。しかし、患者さんのカルテを見るだけなら十分です。普段、鞄に入れても苦痛にならないので、特に夜間や休日の当番日に持ち歩いています。普段の往診では入力がしやすいノートパソコンを使用します。


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上はUSBを利用した心電図(三栄メディシス社製)です。
電極とコントロールボックスをUSBで電子カルテのパソコンにつなぐと、心電図の波形が表示されます。かさばらないため、常時携行可能です。


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上は血液ガス分析器(ITC社製)です。
呼吸管理のために、自宅のベッドサイドで血液ガス分析も必要です。

在宅医療に用いる医療器具は、小型で往診先へ持参できることが条件です。